概要
長野県佐久市内にある2つの県立高校の統合計画案です。(現野沢北高校敷地内における建て替え計画)
単位制の授業がメインとなる佐久新校では、授業ごとに教室を移動する必要があるため「移動」そのものが重要な学びのアクティビティとなります。本提案では、行き止まりのない動線=学びの「ループ」で校舎全体をつなぎ、さらに地域へとそのループを展開してゆくことを考えました。校舎・グラウンド間に敷地を南北に貫く地域連携の軸「のざわプロムナード」を設け、それに併設して地域連携プログラムを配置することで地域と学校との連携強化をはかります。
校舎全体がひとつづきのループによる室内空間で構成されるため、冬の寒さが厳しい佐久地域でも安定した学校生活を送ることができます。併せて、屋内外にループがむすぶ「11の庭」を計画しました。多様な形質の庭が教室だけでは得られない学びや発見、交流の場所を提供し、生徒の探求心を育む土壌となります。
限られた予算内における実現性も大きな課題でした。学びの環境を維持しながら合理的な建て替えを行うために比較検討を重ね、既存グラウンド範囲(敷地西側)に新校舎を建設し、既存校舎範囲(敷地東側)を新グラウンドとする配置計画としました。工事の際に仮設校舎が不要となるため建設コストを大幅に縮減でき、引越し回数を最低限にすることで生徒・教職員の負担を抑えるよう配慮しました。 |