ナカニシA1工場
Nakanishi A1 Factory

※前職 北川原温建築都市研究所での担当実績
設計統括責任者として従事

世界に発信する「フラッグシップ工場」

歯科医療用ハンドピースで世界一のシェアを誇るナカニシ社のＡ１工場は、遠くに男体山をのぞむ見晴らしの良い高台の工業団地に位置しています。ここでは、高度な生産性・品質を実現する環境づくりが求められるとともに、国内のみならず世界中から訪れるバイヤーや医療関係者に対し、同社のブランディングにおいて特に重要なフラッグシップ工場としての位置づけがなされました。


”生命のコロネード”

メインファサードとなる管理厚生棟では、ナカニシ社製品の特徴である高い精度や強さ、また医療機器が深く関係する生命を象徴するデザインを試みました。アプローチの動線となるテラスに沿って光の柱をさまざまな間隔で配置し、歩行移動によって "生命の美しい進化や成長のリズム" が暗示される空間を目指しました。


「自然」と「創造」をつなぐ中間領域

また常時400名以上の従業員が働く環境として、昼食や休憩時のホスピタリティも重要な課題でした。アプローチテラス沿いの壁柱の合間が、ちょうど南面する森と社員食堂をつなぐポルティコ（中間領域）となり、外に開かれつつも守られた空間で昼食を楽しむことができます。また、深い庇と壁柱は西日や真夏の日射を防ぐことで建物の環境負荷低減にも貢献しています。